ピアノを始める時

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ひと昔前はピアノといえば女の子の習い事、という感じで

圧倒的に 女子が多かった気がしますが、ここ何年かをみていると男の子!

たくさんいますね~♪

 

しかも文化系だけではなく、「俺、野球やってるんだ」と見るからに

スポーツ系の男の子の元気な姿にはいい意味で驚かされます。

 

さて、ピアノを習い始める時期ということについてですが・・・

小さな子供から大人までのどのタイミングで始めたとしても、 突然ピアノの前に

座らされて、「さあ弾いてみましょう!」 と言われてもさすがに無理がありますよね。

 

知っている曲の楽譜であってもそれをどう使うのか、

知っているメロディを音で奏でる為にはどうしたらよいのか、

そもそもどの鍵盤から始めるのか・・・etc

わからないことだらけで戸惑うと思います。

 

ド、レ、ミ・・・この聞きなれた言葉が音の名前だ、というのは

わりと多くの人が当たり前のように知っている事です。

それじゃあ、ピアノの鍵盤ではどこがドの位置なんだろう?

 

ドの音ってどんな響きがするのだろう?

そしてドの音を目で見て理解するにはどう書けばいいの?

 

そう、ピアノを弾くためにはその前に知っておかなければいけない事、

最低限覚えなければいけない決まり事がたくさんあるのです。

 

それを一つずつ覚えながらピアノの弾き方を学ぶ必要があるということ。

どの年齢からピアノをスタートさせてもその過程は変わりません。

 

ある程度自分の力で楽譜を読んでピアノが弾けるようになった頃には、

そんなの常識だよ、知らないわけないよ!と思うような音楽の基礎を

少しずつ少しずつ身に付けていかなければならないということです。

 

習い事は早くから始めたほうが良いという声もよく聞きます。

確かに物事がよくわからないうちに叩き込まれたほうが、

回り道をしないで技術を習得できるような気もします。

 

ただ、ピアノを弾くということだけに限定した場合、

できるだけ早くからという判断が正しいのか・・・・

 

ピアノというのは鍵盤楽器なので、叩いたり押したりすると 音が鳴りますが、

演奏する時はそのタッチする指がしっかり していないといい音が出せません。

 

柔らかいふにゃふにゃの指で無理に音を出そうとすると

かえって 変な癖がつく原因にもなってしまいます。

 

そして、一度ついた癖は その後直そうとしてもなかなか簡単に

直すことができなくて 苦労することになるので大変なんです。

 

そうなるとようやく歩けるようになったくらいの幼児がピアノの鍵盤を

触って音を出す、というのは私としては 少しばかり考えにくいことですね。

 

お子さんの成長に合わせて適切な教材を使いながら

正しい方向に 指を鍛えていくことがとても大切になります。

この部分は指導者の 立場からすると一番丁寧に取り組む必要があると思っています。

 

私は4歳の誕生日を迎える少し前から母に連れられてピアノ教室へ。

個人レッスンでしたが、カワイで講師をされていた先生だったので、

音符・休符の書かれた積木で遊んだり、歌を歌ったりしながら

本当に遊び感覚で楽譜に触れ読めるようになっていきましたね。

 

その流れで鍵盤に触るという方向に移行していった記憶があります。

その時のすべてを鮮明に覚えているわけではありませんが、

気が付いたら楽譜が読めて自分で曲に向き合えるようになっていたので 、

私の場合は始めた時期もベストだったかなと今振り返るとそう思います。

 

幼児期から歌など音楽そのものが好きだったからなのか、

ある程度の曲が弾けるようになってくるまでに比較的苦痛を

感じることなく自然にピアノに馴染んだように思いますね。

 

実際にピアノを弾くことの他にも歌を歌ったり音を聴いて 音感を養ったり、

リズム叩きをして拍感やリズム感を養うなど 鍵盤に触れるだけが

レッスンではありません。  

 

保育園や幼稚園でも十分音楽に触れる機会がありますし、もしお子さまが幼少期から

興味を示したり、保護者の方から見て音楽に触れさせたいという様子がうかがえるよう

なら そのタイミングで始められてはいかがかなと思います。

 

一方で小学生から始めては遅いですか?という質問を耳にすると、

どこを目標にして遅いと考えているのかなと思うことがあります。

 

具体的に何歳までにこの曲が弾けるようになりたい、とか

どんどんコンクールに挑戦していきたいというような目標があれば 別ですが、

始めるのが遅かったからなかなか弾けるようにならない、

ということでは決してないですね。   

 

成長するにつれて思考力も理解力も高くなると、体で覚えるだけではなく、

考えるという作業をするようになります。読み書きができるなど音楽以外で

できることも増えてくるので学ぶスピードがはやくなってきます。

 

音感を養うという部分では早くから訓練することも大切ですが、

小学生からでもきちんと基礎を積み重ねてレッスンすることで、

ある程度は身についていくものと私は認識しています。

 

そして、何をするにしても個人差というのが必ずあります。

一人一人個性があるように性格も違えばできること、 できないことも違ってきます。

 

同じ年齢の子が同時に習い始めたとしても、

進度が全く一緒というわけではありません。

 

大切なのは進度を競い合って高い技術を目指すことではなく、

どの段階においてもその都度乗り越えなければいけない 課題があって、

それを一つ一つどうクリアしていくかということ。

 

このような様々な要素を複合的に考えていくと、

ピアノを始める年齢だけに焦点を当てるのではなく、

お子さんに対して習うタイミングをどう見極めるかということが

大切になってくると思います。

 

ただし、ピアノを本格的に勉強させて将来は音楽の道へ、

というお考えが もしあればなるべく早くから環境を整えるなり準備が必要になります。

 

進む学校によっても方向が違うし、国内か海外か、そして海外であれば いつ行くのかと

いうことも視野に入れて考えなければなりません。 そして、そのような道に進めるよう

に先生選びをする必要がある、 ということは付け加えさせてください!